東京大学は9日、世界最速の天文計算用コンピューターを開発したと発表した。主に銀河や太陽系の形成過程のシミュレーションに使われる。天文学以外では、分子運動や構造力学などの解析にも利用できるという。
開発したのは東大の牧野淳一郎・助教授(天文学)らのグループ。1024個の大規模集積回路(LSI)を並列につなぎ、約35万個の演算機を同時に動かせる。
これまで最速は米ローレンス・リバモア国立研究所の計算機で、1秒間に12兆8千億回の浮動小数点計算が可能。東大の計算機はその2.5倍の性能を達成した。ただし、米国の計算機はさまざまな分野で幅広く活用できる。
牧野さんは「50万個の星から成る球状星団の形成シミュレーションなら1日でできるようになり、天文学の新たな成果につながる」と話す。
(07/09 21:42)