フラッシュ中に消費される水素量は極わずかである。
しか過ぎない。
フラッシュの短い時間の間に、Mgを燃やすためには、高温
K が必要である、中心核の質量が
以上であれば、この温度に達することができる。
フラッシュの間に、個々のCN原子が経験するCNサイクルの回数は、同じくエネルギー収支から
となり、これと陽子捕獲に対する寿命の比から、MgAl サイクルの進行を評価することができる。
その結果、
金属量の少ない星団 ()では、
Mgから始まって、Al (
Al,
Al) に至る合成が可能であるが、金属量の比較的多い星団 (
)では、反応は、
Mg で留まり、Al の合成には至らない。
これは、高温では、
Mg の寿命は、
N より短くなるのに対し、
Mg、
Mg、
Al (および
O) の寿命は数十倍くらい長く保たれるためである。
このモデルの構成要素は、フラッシュのための縮退したヘリウム中心核と核反応生成物をくみ上げるための発達した表面対流層である。
したがって、赤色巨星の段階になって、初めて機能することになる。
また、表面対流層の深さは、金属量によって変わるため、これを通しても、モデルの金属量依存性が現れる。
金属量が多いほど表面対流層は深くなり、中心核の質量が小さいうちにフラッシュが誘起されることになる。
これも、Mg の燃焼の進行を押さえる方向に働く。
これまでのモデルと異なるこのモデルの特徴は、ヘリウム中心核の一部が混ぜられるため、必然的に、表面のヘリウム組成の増加を伴うことである。
フラッシュ対流層では、Mg はすべて燃えると仮定して、表面の Mg 組成が半分に減少する間の、ヘリウム組成の増加量を評価すると、
ただし、は、初期のヘリウム組成であり、
は、フラッシュ対流層の全質量の、ヘリウム中心核から組み込まれた質量に対する比である。