next up previous
Next: 3 環境効果 Up: 無題 Previous: 1 Introduction

2 モデル

2.1 分子雲の進化と星形成効率

各々の分子雲の質量の変化は、

 

と書ける(Elmegreen & Efremof 1997)。ここでMは分子雲の質量、は 分子雲の中にできた星の総質量、Pは分子雲の圧力、Lは分子雲の中の若い 星からの放射、Aは観測との比較から決める定数である。右辺第1項は星形 成による分子ガスの消費、第2項は若い星からの放射で分子雲が破壊される割 合である。

一方、ビリアル平衡にある分子雲には、

 

 

などの関係がある。ここでcは音速、R は分子雲の半径である。

これらの条件のもとで(1)式を解くことで、分子雲の寿命と 星形成効率が分子雲の質量Mと周囲の圧力Pの関数として求めら れる。これら を以下の考察で利用する。

分子雲のモデルを要約すると

となっている。

2.2 銀河全体の星形成率

初期質量が の間にある分子雲の総質量を とすると、 その時間変化は

 

となる。ここで は星が放出したガスからの分子雲形成、 は破壊された分子雲のガスのリサイクル、 は分子雲の破壊率である。分子雲の初期質量関数は観測からと仮定する。 を環境効果から別に与え、 (4)式を解くことで銀河全体の星形成率は

 

と求められる。

銀河全体の星からのガスの放出率は

 

と書ける。式中 m は各々の星の質量、 は銀河全体の星形成率、 は星にとり込まれたガスのうち星間空間に戻るガスの割合、 は星の初期質量関数(IMF)、 は質量が m の星の寿命、 は IMF の上限と下限である。

分子雲ガスのうち、星にならずに再び新しい分子 雲に取り込まれるガスの時間変化量は、

 

となる。



Jun Makino
Wed Mar 17 17:43:56 JST 1999