各々の分子雲の質量の変化は、
と書ける(Elmegreen & Efremof 1997)。ここでMは分子雲の質量、は
分子雲の中にできた星の総質量、Pは分子雲の圧力、Lは分子雲の中の若い
星からの放射、Aは観測との比較から決める定数である。右辺第1項は星形
成による分子ガスの消費、第2項は若い星からの放射で分子雲が破壊される割
合である。
一方、ビリアル平衡にある分子雲には、
などの関係がある。ここでcは音速、R は分子雲の半径である。
これらの条件のもとで(1)式を解くことで、分子雲の寿命と
星形成効率
が分子雲の質量Mと周囲の圧力Pの関数として求めら
れる。これら
と
を以下の考察で利用する。
分子雲のモデルを要約すると
初期質量が と
の間にある分子雲の総質量を
とすると、
その時間変化は
となる。ここで は星が放出したガスからの分子雲形成、
は破壊された分子雲のガスのリサイクル、
は分子雲の破壊率である。分子雲の初期質量関数は観測から
と仮定する。
を環境効果から別に与え、
(4)式を解くことで銀河全体の星形成率は
と求められる。
銀河全体の星からのガスの放出率は
と書ける。式中 m は各々の星の質量、 は銀河全体の星形成率、
は星にとり込まれたガスのうち星間空間に戻るガスの割合、
は星の初期質量関数(IMF)、
は質量が m の星の寿命、
と
は IMF の上限と下限である。
分子雲ガスのうち、星にならずに再び新しい分子 雲に取り込まれるガスの時間変化量は、
となる。